USA Todayの記事によると、科学分野でもクラウドソーシングがブームになっているそうです。
(原文より要約)
33歳のChris Lintottは世界的に有名な天体物理学者、BBC番組「The Sky at Night」のプレゼンターであり、クラウドソーシング・プラットフォームZooniverseの創設者でもあります。
Google Givingからの助成金を受けて、彼は実質的に誰でも科学的プロジェクトを立ち上げ、データを点検するためバーチャルなボランティアを呼び込むことができるよう、Zooniverseを拡張しようと計画しています。
類似サイトにMITのEye WireやNASAのSETIおよびFold ITがありますが、Zooniverseはその中で最も規模が大きく、世界中の100万人のボランティアがシマウマから第二次大戦 の日記まであらゆるものに目を通しているのです。アマチュア科学者への懐疑にもかかわらず、このサイトの研究は四つの太陽を持つ惑星を含む科学的発見を導いてきました。Lintottにとって、クラウドソーシングには、ますます洗練された技術が生み出す大量のデータを科学者が扱うのを助けること、そしてより多くの人々に科学に関心を持ってもらい貢献してもらうこと、という二つの目的があります。
子供の頃から学校の望遠鏡で星を研究する事に時間を費やしてきたLintottは、まだケンブリッジ大学の学生だった2000年にBBCの番組にゲストとして招待されて以来定期的に番組に登場し、2012年にはプレゼンターとなりました。
彼は研究を続けて星の配列に関する博士論文を書き上げましたが、さらに銀河系の向こうを研究するにはまず100万の銀河を分類する必要がありました。そのため、彼はNASAの最初のクラウドソーシングに関する実験Clickworkersに倣って、2007年にGalaxy Zooを立ち上げたのです。50人で5年が掛かると想定に反して、たった二日で100万の銀河が分類され、そのデータが有効であると証明されました。他の科学者が同様の手法を利用したいと連絡してくるようになり、より広範なプロジェクトを扱うZooniverseを2009年に立ち上げました。
調査手法への疑念もあります。US National Park Serviceによる研究は、ボランティアによるデータは、特に課題が複雑であればバイアスや間違いを含みやすいという懸念を強調しており、科学者の間には批判的な声もあります。しかし、Lintottはクラウドソーシングで得られたデータは、査読論文で利用されることでも証明されているように信頼できるし、市民科学者に問題があるとすれば真剣すぎることだと反論します。Zooniverseのユーザーがサイエンス誌の表紙を飾ることは無いかも知れませんが、Lintottのロジックと楽観主義はすでに新発見を加速しているのです。
(要約ここまで)
ボランティアによるデータ収集だけでなく、インターネットによるデータ収集などにはいまだに批判が多くあります。ただ、きちっとした研究機関が、正確なデータを出しているかというと最近の出来事を見るとそうとも言えない気もします。
また、データが正しいかどうかを再現して確認するのには限界があるわけで、それなら少数の専門家により誤ったデータが作られるよりも、クラウドを通じた、圧倒的多数の多様な回答の方がまだましな気もします。
(NASAの事例はこちらにもあります)