2013年4月30日火曜日

ドイツIBM - 人員整理?クラウドソーシング?


 ロイターによると、ドイツIBM8000人分の仕事をプロジェクトごとにインターネットを介して人材を調達すると紹介されています。この取り組みにより、現在2万人いるドイツIBMの社員はいずれ12000人にまで減り、3分の1のコスト削減と30%の開発効率向上を目指しているとも述べられています。

この取り組みでは、自社社員をいったん解雇し再度、インターネット経由で必要なときに活用するということらしく、ある意味、自社社員をクラウドソーシングで活用するとも取れます。

 CMSWireでは、この動きは従業員にとっては必ずしもいい話ではなく、失業期間の長期化、医療給付等を失うことによる負担増、また仕事のストレスの増加にも繋がりかねないとも述べています。

 企業にとっては、固定的に人材を抱えるわけではなく技術動向、顧客ニーズに合わせて人員を調達できるため大きなメリットがでると思われますが、従業員にとっては決してプラスばかりではなく、これまでの雇用トレンドの終わりにつながるかもしれません。この取り組みがIBMで成功した場合、他の大企業も追随する可能性もあり、大きく労働環境が変化するかもしれません。

 そうなっても、日本企業は取り残されそうですが。。。

2013年4月29日月曜日

 オーストラリアのクラウドソーシング事情


 前回投稿で紹介したベンチャー企業でのクラウドソーシング事例の記事ですが、こちらには、オーストラリアでのクラウドソーシング事情も述べられています。

 オーストラリアでは35千の小企業がoDeskを利用しており、これはアメリカに次いで第二位、さらに人口一人あたりでは第一位とのことです。

 oDeskCEOGary Swartによれば、こうしたバーチャルな労働力が小企業の立ち上げを支えており、「ネット労働者を利用するオーストラリアの小企業の85%が、競争力を高めることができたと言っている」と述べています。

 更に、「オーストラリアの25千人のコントラクターがoDeskに登録しており、56%の仕事は海外企業から来る」とのことで、ワーカーにとっても重要な仕事受注のプラットフォームとなっていることが見受けられます。

 また地元企業によれば、ウェブ開発やソフトウェア開発、デザイン、マルチメディア、執筆と翻訳などの専門家を地元で見つけるのは困難だが、ネットでは可能と述べており、企業にとっては、重要な人材獲得手段となっています。

 オーストラリア企業がネットを通じて雇用する職種上位三位は、ウェブ・プログラミング、モバイル・アプリ開発、ウェブ・デザイン。オーストラリア人がネットを通じて雇用される技能は、増加順に技術文書執筆、ビデオ制作、翻訳が上位三位といったものがあげられています。

2013年4月27日土曜日

クラウドソーシングワーカーはベンチャーにとっての重要な人材リソースに


 日本ではまだ普及途上のクラウドソーシングですが、海外では既に本格的な普及期に入っており、当然のごとく企業が業務で活用しています。
 特にベンチャーや中小企業での活用が顕著で、流動的に優秀な人材を雇用できることは大きな魅力となっています。

 news.com.auの記事によると、オーストラリアでは、5万にも上る小規模企業がバーチャルな労働力を利用しており、こうした傾向が新進の事業主の間でますます強まっていると述べています。

 記事の中では、1Ad.comという人事雇用の広告ビジネスを行う企業において、クラウドソーシングを利用している事例が紹介されており、起業者のAdam Griffithによるとロシアとウクライナのグラフィック・デザイナーとウェブ開発者を雇用しており、地元で技術者を雇うより75%も安上がりと述べています。

 これまでの人材採用プロセスでは、優秀な技術者が限られ、コストが高く、時間もかかるのに対して、クラウドソーシングでは、豊富な人材プールから採用を早く、低コストで行うことができ、ベンチャー等、新進の事業主は優秀な技術者をクラウドソーシングに求めているようです。

2013年4月22日月曜日

クラウドソーシングのクライアント、ワーカーは、どこから来るのか?

 海外のクラウドソーシングサイトには、クライアント、ワーカーともに世界中から集まってきます。しかしながら、世界中均等に、クライアント、ワーカーが存在しているわけではなく、地域的な偏りはあります。

 Crowdsoucing.orgの記事によると、Elanceでは、2012年のデータから見ると、米国企業が最大のクライアントであり、ワーカーも米国在住者が圧倒的に多くなっています。(70万人、過去12ヶ月で20万人の増加)。特に失業率が高い州でフリーランス収入が増えていると述べています。(例えば、ロードアイランド州では過去1年で89%増加など)。

 ほかにクライアント企業が多いのは豪州、英国、カナダ、アラブ首長国連邦ですが、中国、南アフリカ、インド、また一部欧州諸国で著しい増加が見られます。

 ワーカーの所在で多いのは米国に次いでインド、パキスタン、ウクライナと英国で、ブラジル、豪州、エジプト、南アフリカ、景気悪化の影響を強く受けたスペインやイタリアなどで特に増加しているとのことです。

 インドより米国でワーカーが多く、また中国のクライアントによる雇用が2012年の間に204%も急伸しているという事実は、これまで通説として言われていた、一般的なワーカー=途上国の人材、発注者=先進国の企業という構図とは異なる内容です。

 クラウドソーシングが単なる労働搾取ではなく、グローバルな人材マーケットとして機能してきていることを示しているかもしれません。

2013年4月10日水曜日

Freelancer.comで発注して支払ってみよう。(Freelancer.comの使い方:第3回)


前回の記事では、Freelancer.comでのワーカー選定のやり方をご説明しました。
今回はそのワーカーに発注時にお金を支払うプロセスをちょっとしたtipsを交えてご説明します。
※画面は2013年3月4日現在のもので、会員登録は完了していてログインした状態の画面です。

前回記事のとおり発注したいワーカーが決まれば、その方の「Award Project」ボタンを押すとその方に通知が行きます。
その上でワーカーの承諾が得られれば契約が成立します。

そしてここでまず最初の支払が発生します。
提示金額のところにマウスを合わせた時に表示される金額+その金額の3%です。
3%はFreelancer.comへ支払う手数料です。
Freelancer.comはこの手数料の積み重ねでご飯を食べてます。

初めてFreelancer.comを使う場合、デポジットがないのでまずデポジットする(Freelancer.comにお金を預ける)必要があります。

グローバルメニューの「Finances」から「Deposit funds」を選択してください。



支払はPaypalでもカードでもお好みの決済方法が選べます。
赤い四角で囲っている部分を見るとどちらも決済手数料は同じなので、ご自分の都合の良い方を選んで構わないです。



では項目ごとに説明をしていきます。

1.金額

通貨単位と金額を入力します。
通貨単位はUSD(アメリカドル)のままで大丈夫ですのでそのままにしておいて金額を入力します。

なお、デポジットの度にPaypalの決済手数料が取られてしまうので、発注時に必要な金額だけでなく発注金額の全額をこのタイミングでデポジットすることをオススメします。

私はこれに気づかず、360ドルのプロジェクトで分割払いをしまくったせいで10ドル以上も余計に支払ってしまった経験があります。
せっかくプロジェクト自体の金額は抑えられたのにとてももったいない思いをしました。

2.支払総額

この金額は決済手数料が自動計算されて支払総額が表示されます。

しかし計算方法については要注意です。

決済手数料として、「$0.30 fixed and 2.30% fee is taken.」と書かれています。
書いているまま計算すると、30ドルのプロジェクトの場合、
30ドル×2.3%+0.3ドル=0.99ドルとなり、支払総額は30.99ドルとなるはずです。
しかし表示されている金額は31.01ドルです。
これは計算間違いではありません。計算式が間違っているのです。
支払総額が30.99ドルだとすると、その内の決済手数料(2.3%+0.3ドル)は1.012ドルとなり、Freelancer.comが受け取る金額は30.99ドルから1.012ドルを引いた29.977ドルとなります。
30ドルではなくなってしまいますね。

正しくは、支払総額から料率部分(2.3%)を引いた金額がFreelancer.comへの支払額という計算するので、正しい計算式は次のとおりです。
30ドル÷(100%-2.3%)+0.3ドル=31.006ドル≒31.01ドル
ご注意ください。

3.デポジットボタン

このボタンを押すと、選択した決済方法の決済確定フローに進みます。
そこから戻ってくるとデポジットが無事完了です。


あとは発注時に必要な金額をそのデポジットから支払えば発注が完了します。

次回はプロジェクトの進行管理について説明します。

2013年4月2日火曜日

個人でロゴマークなどの懸賞金付きアイデアコンペを開催しよう!


はじめまして、crowdscopesのごっつです。

今回は、クラウドソーシングの活用の仕方でよく期待される、ロゴマークのデザイン発注業務をベースに、国内最大手のcrowdsourcingサイトであるランサーズについてご紹介します。

自分のイメージにぴったりのデザインを見つけたい!
「ロゴマーク」みたいなものは、『なんとなくこういう雰囲気にしたい』というものはあるけれども、実際に発注者自体がどのようなものにすればいいのかわからない事が多いですよね。だから、デザイン事務所などでは、発注する際、その雰囲気を元に3~10個程度の複数の提案を提示して、どれがピンとくるかという話をしながら、最終的にデザインを完成させていきます。

でも、本当の本当に“ピンとくる”デザインがその候補の中にあるのでしょうか?私は非常にワガママなので、出来れば100個とか200個の候補の中から一番好きなロゴを選びたいんですよね。でも、「100個以上候補を出してくれ」と交渉できるほど面の皮の厚い人間でもなければ、資金力もありません。また、やってもらえるとしても、100個のラフデザインが上がってくるまでに何週間かかってしまうのかと考えると、頼めたもんでもありません。

でも、crowdsourcingを用いれば、【非常に多くのデザイン】が【リーズナブル】に【あっという間】に集められてしまうのです。
私は、賞金2万円で、なんと24種類のアイデアを集めて、サービスロゴのデザインを決めることが出来ました。サイトを見てみると、賞金5万円で100件を超える提案があるケースも多く見られます。

そんな事を実現するにはどうしたらいいの?
今回ご紹介するのは、ランサーズというサイトです。ここは、1997年にオープンしたcrowdsourcingサイトで、デザインや小さい業務においては、間違いなく日本最大手と言ってよいと思います。
そのサイトの中には、大きく分けると「①プロジェクト型」「②コンペ型」「③タスク型」という3つの仕事の発注の仕方があります。各型について、簡単に説明すると以下のようになります。



今回は「②コンペ型」で、【多くのデザイン】を【リーズナブル】に【あっという間】に集めてみたいと思います。 

実際にお願いするにはどうしたらいいの?
Step 0:ランサーズに登録しましょう
 ランサーズに登録しましょう。発注をしなければお金がとられることはないので、あまり気にしないでも良いと思います。個人のプロフィールなどをしっかりと記載しておくと、デザイナーの方も安心して業務に従事できるはずなので、より多くの提案が集まるかもしれません。

Step 1:発注までの流れ
簡単にですが、発注までの流れを追ってみます。なんとなく雰囲気を掴んでいただけるかと思います。実際に発注が終わると、募集案件としてサイトに表示されます。[実際のロゴデザインの案件リスト](非公開にする事も可能です)
また、[人を探す]のボタンから、ワーカーを探して自分の案件をおすすめする事によって、見つけられるのを待つわけではなく、自分の好みにあうデザイナーをコンペに参加してもらえるように打診する事が出来ます。



Step 2:発注〜コンペ終了の流れ
デザインが集まってきたら、その中から好きなデザインを選んで、そのロゴデザインを活用出来ます!
また、デザイナーの方とはコミュニケーションを取ることができるので、デザイナーの方に打診して、微調整を加えることで、自分の好みに本当に合うデザインに組み替えていくこともできます。
後半3日などで一気にデザインが集まるので、「ウォッチリスト」の数でこの案件に興味を持っている人がどれくらいいるのかを把握して、根気よく待つのがよいと思います。しかし、ちゃんとした案件(応募している内容・金額など)であれば、応募してすぐに人が自分の案件を気にしはじめていることが実感できると思います。

◆ まとめ
今回はコンペ式によって、ロゴデザインを発注するイメージをお伝えしました。
実際にどんなデザインが出来上がるかは、あなたの案件次第です。発注する際にテーマがわかりにくいようであれば、よくわからないロゴが出来てしまいます。丸投げするのではなく、自分のロゴで伝えたい事を、まずは自分でしっかりと考える事が重要だと思います。
具体的にどのようなデザインが上がってくるかは、[実際のロゴデザインの案件リスト]を見て、イメージされてみてはいかがでしょう。やはり、高額の案件はそれなりの数と質のデザインが集まっている事がわかっていただけると思います。

crowdsourcingはジョブマッチングにおける新しいパラダイムです。しかし、やっていることは「仕事をしたい人」と「仕事をしてもらいたい人」とを結びつけているに過ぎません。実際、『案ずるより産むが易し』です、小さい案件からでも良いので、とりあえず一度crowdsourcingの世界を体験してみてはいかがでしょう♪


◆ 参考
なお、ロゴマークの作成をしたいという事であれば、このようなサイトも参考にしてもらえれば良いと思います。
 99Designs:英語のサイトですが海外では有名なデザイン系のcrowdsourcingのサイトです。[関連記事:99designsでアプリアイコンのデザイン発注]
designclue:2012年の9月にクローズドβ版が公開された、”日本語で海外のデザイナーにデザインの発注が出来る”サイトです。

※この記事は20133月に書かれたものです。特に国内のcrowdsourcingの市場は、現在、非常に急速に進化していっているので、もしかしたら半年後くらいには、紹介したサイトの仕様等が変化している場合もございます。