2013年11月1日金曜日

群衆(Crowd)?どこもかしこも 人でいっぱいな件

国内でもクラウドソーシングサービスが日々立ち上がり、盛り上げりを見せてますが、どのサイトもトップページは人でいっぱいです。



国内だとここが最初にいっぱい感を出したような。





今は、少し人数減りましたが、一時期クラウドワークス以上にいっぱいでした。






最近できたこのサイトもいっぱい感はだしてます。実際はまだまだですが。。。
















そもそもの出だしはおそらくここ。画面以上に本当にワーカーでいっぱいです。













以上、どうでもいい話題でした。

2013年10月17日木曜日

高品質な人材活用

先日、「クラウソーシング、その現状と高品質人材の活用」ということで、筑波大学で講演しました。資料の一部抜粋版をこちらにアップしているのでよろしければ。




クラウドソーシング、その現状と高品質人材の活用 from Kousaku Igawa


ちなみに、「高品質人材の活用」とはうたっているのですが、実際は、「高品質人材ってなかなか見つからないよね」という、問題提起で終わっているので、その点ご了承ください。

2013年10月16日水曜日

労働搾取でないクラウドソーシング2

 前回、データサイエンティストのクラウドソーシングサイトkaggleを紹介しました。単なる安請け合いをするクラウドソーシングではなく、高収入が得られるサイトということで紹介しましたが、多くの人にとっては、「そりゃデータサイエンティストなんで超ハイスキルならそれも可能だろうけど、普通の人には無理」といった感想かと思います。

 もう少し、一般的な事例を紹介しましょう。

 PHPプログラミングといった比較的一般的なプログラミングスキルでも、時給150ドルを超えている例があります。

 oDeskで働くトムさん(仮称)は、2006年からoDesk上で受注を受け始め、2013年4月時点では、3000時間を超える受注を得ています。評価も、4.99とほぼ常に満点に近いスコアを取っています。

 トムさんのすごいところは、受注当初は、時給30ドル程度だったものが、現在では170ドルを超える水準となってきている点にあります。5倍を超えてます。

 oDeskという仮想労働市場の中で、キャリアを積むことで、評価を上げてきており、合わせて単価も上がっています。

 確かに、8年で3000時間ということは、恐らくoDesk以外の仕事も行っており、そちらで、スキルを上げ、その結果oDesk上でもスキルの高い仕事が受注できるようになったのかもしれません。

 ただ、そうだとしても、oDeskという労働市場内でのキャリアアップが実現できることを示している例だと思います。

 8年で、時給を5倍にできる市場というのは魅力的ではないでしょうか。


  ちなみにこのトムさんみたいな人は、結構探せば見つかります。oDeskの検索条件で、1000時間以上の実績を持ち、スコアが4.5を超える人をさがしてみれば、何人かはいるはずです。

 これからクラウドソーシングで働こうと考えている方は、こういった人を参考にすると何かヒントが見つかるかもしれません。



 

2013年8月14日水曜日

労働搾取でないクラウドソーシング1

 クラウドソーシングについての議論でしばしば取り上げられるのが、安い単価でワーカーに仕事を発注することで、労働搾取しているのではないかという話です。

 クラウドソーシングの衝撃 (NextPublishing) でも取り上げましたが、確かに一部の仕事では、これまでに比べ圧倒的に安いコストで仕事を依頼できるようになることがあります。

 例えば、単純なデータエントリーであれば、クラウドソーシングを通じてアジア圏の人材を活用するれば、時給数ドルで仕事をしてくれるワーカーはいくらでも見つかります。
これに対して、先進国の発注者が発展途上国のワーカーを搾取しているという議論もあります。しかしながら当然ワーカーとしては生活が成り立つ価格で受注している訳で、例え短期的に価格を下げて受注することがあるにせよ、長期的には生活のできる価格帯に落ち着くはずであり、ある意味グローバルで適正化されるとも言えます。

 逆にこういった単純作業で既存の人材活用チャネルを利用し、高コストのワーカーを活用し続けることは、企業の競争力を失っている可能があります。
例えば日本企業で、FAXを見て数値をExcelに入力するみたいな作業を、正社員にやらせてたりするとこれは恐ろしく競争優位を失っていることになります。

 このあたりの議論は、ちきりんさんの日記でも取り上げられているので、そちらも参照していただければと。

 さて、一方で、新たな就業機会を提供し、高い給与がもらえる市場もクラウドソーシングには存在しています。

 その一例として、米国kaggleというデータサイエンティストのクラウドソーシングプラットフォームがあります。

 データサイエンティストとは、組織においてデータ分析を行い組織の価値を上げる能力をもった人材(いまだ定義はあいまい)ですが、世界的に人材不足していることが良く言われています。
これまでの雇用方法ではなかなか見つけてくることが難しい人材です。kaggleはそういったデータサイエンティストを数多く惹き付け、彼らの能力をクラウドソーシングを通じて活用するプラットフォームです。

 例えば、企業が「会員の購買データから退会率を予測するモデルを作る」とか、「求人票から給与を予測するモデルを作る」といった課題の解決をkaggleに依頼します。kaggleはその課題に報奨金をかけ、プラットフォーム上で解決策を募集します。

 提示された解決策の結果(どれくらい予測があたっているか等)は、コンペティション期間中公表され、データサイエンティストは互いに結果を見ながらよりよい解決法を探そうと競争し合います。最終的に最も良い結果を出したデータサイエンティストに賞金が払われる仕組みになっています。

 賞金は数百ドルから高額になると、数十万ドルにもなります。
 
 そういった中、これまでは恐らく報酬を得ることが難しいような人達もこのサイトで優勝し多額の報酬を得るようになっています。例えば、最近話題になっているのは、トロント大学 Geoffrey E. Hinton教授の研究室が、DNNという手法を活用して複数コンペティションで優勝していることがあります。この研究室がチームとなって参加したり、所属の学生が一人で参加して優勝するなどし、高額の報酬を得ています。

 こういった学生は、これまでは報酬をもらえていなかった、もしくは小額しかもらえなかった人々で、そういった人々が実力さえあれば十分に稼げる場が提供されています。

 また、企業で働きながらこのサイトに参加する人も多く、そういった中で優秀な人材は、高額の報酬を手にし、更にこのサイトでの評判をベースにコンサルティングビジネスを新たに立ち上げような人もいます。

 つづく。

2013年7月25日木曜日

クラウドソーシングを使ってスマホアプリ開発者だと名乗れるたった一つの方法

これまでは海外事例や動向を中心にお届けしてきたが、結局自分自身がクラウドソーシングを使って何をしてきたのか、ということはご紹介できずにいました。

せっかく、ちきりんさんのブログに「クラウドソーシングの衝撃」が取り上げられたので、ここでひとつ自分自身の利用経験としてスマホアプリを開発した話をしようと思います。

まず、こちらのアプリはご存知でしょうか。
Twitter連携機能付き目覚まし時計「ねちゃったー」

このアプリは当初Android版でしかリリースしておらず、2012年には「R25 Androidアプリ大賞」の特別賞を受賞するくらい高評価をいただきながらも、iPhone版は長く開発すらできないでいました。
なぜなら開発者である私にiOSアプリを作るスキルがなかったからです。
アプリを作りたいけどスキルがない!とお嘆きの方にとても近い立場です。

そしてAndroid版のリリースから約2年経ったとき、不意に以前使ったことのあったクラウドソーシングを使って開発することを決めました。

国内で開発しようと思えば数十万円は下らないでしょう。
しかしこれはお小遣い制という重い足かせを課せられた私には到底払える金額ではありません。

そこで以前激安でロゴが作成できた海外サービスに目を向け、AndroidアプリをiPhoneにコンバートしてほしい、という内容で募集を掛けました。

そこにはまさに「クラウドソーシングの衝撃」がありました。

まず開発者の多さ。
全世界から集まっているだけに当然かもしれませんが国内サービスと比べると桁違いです。
これだけいれば自分に合った開発者もきっと見つかるでしょう。
クラウドソーシングを使う前はこの人数については大して重視していませんでしたが、結構重要だと使っていて気づきました。

そして、価格。
応募者の入札価格が250~900ドル。
国内よりも数倍安いです。
結局300ドルで応募してきたインドの方に発注し、途中で仕様追加をしたので合計で360ドル。
当時は政権交代直後だったので円高是正もまだそれほど進んでおらず、日本円にして約3万円。
これなら私でも何とか出せる金額です。

この大きな2つの衝撃を受けながら、プロジェクトは進みます。

当初、受注者は8日間でできると提案してくれており、その8日目。
できたよ、というメッセージとともに送られてきたアプリを開発用に用意しておいたiPhoneにインストールしたところ、まったく異質の衝撃を受けました。



どうやって操作するのかまったく分かりません。
下のグレーのスペースは何だろうか。。。
触ってみたら、


ボタンが出てきた。
確かに、Android版の場合、デバイスにあるMenuボタンを押せばこれらのボタンは出てくるのです。
iPhoneにはMenuボタンはないですが、こんなUIは見たことありません。

そこで慌てて、他の目覚ましアプリを参考にするなりして、もっとiPhoneの標準に近いUIにしてほしい旨の改善要求をしました。

そこから約1ヶ月、何度もバグを見つけては修正依頼を出すことを繰り返してようやく形になりました。


なんとか使えそうな感じになったので無事プロジェクト完了とし、その後日本語化した上でリリースすることができました。

英語でのメッセージのやり取りがめんどくさいし、思ったことが伝えられない英語力のなさもありましたが、それでもたった3万円でアプリができるのなら、iPhoneアプリ開発者を名乗れるなら安い物です。

もしアプリを開発したいとお思いの方がいらっしゃいましたら、ぜひ試してみてください。

ちなみに、誰でも開発者を名乗れると煽っておきながらも、ある程度アプリのことが分かっていないと絶対に良い物はできないです。
標準的なUIとはどういうものか、どういうことができて、どういうことができないのか、等々。
ご注意くださいませ。


最後になりますが、価格が安いとかいう話は、某筋にとっては労働力の搾取だとか格差の拡大だという話になるのですが、まったくそういう話ではないことは明白で、グローバルで勝負するとこうなるというだけです。
それに受注する側の物価水準ではこの価格ですら結構な金額なのです。
つまり、グローバルな視点に立てば格差の解消なんですけどね。


そんじゃーね

2013年7月23日火曜日

ちきりんさんのブログで取り上げてもらいました。

 共著で出版したクラウドソーシングの衝撃 を、ちきりんさんの『Chikirinの日記』(2013年7月22日)で取り上げていただきました。

 ちきりんさんの著書未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』は既に読んでおり、こちらに書いてある「第2の職業人生」、「ワークシェアリング」といった方向性には、クラウドソーシングが一つの有効なツールになりうると思っていたところだったので、うれしい限りです。

 

 

2013年6月29日土曜日

国内外クラウドソーシングの現状



会津大学で講演を行った際のスライドの一部です。

国内外といいながら、アップしたものは海外のみとなっております。事例も除いています。

実際のプレゼンは、ベンチャーの事例等あるので、ご興味あればご連絡ください。

ご連絡は、info★crowdscopes.com (★を@に変えてください)


 

2013年6月22日土曜日

クラウドソーシングの衝撃


 東京工業大学 比嘉 邦彦教授と共著で執筆した
『クラウドソーシングの衝撃』

が発売されました。

kindle版は、こちらです。クラウドソーシングの衝撃 (NextPublishing)

 クラウドソーシングについて、具体的な事例から始まり、企業、個人にとっての意味合い、そして今後の社会的なインパクトについて語っています。

 もし、ご興味あれば。

2013年6月17日月曜日

「企業も働き方も激変 ~クラウドソーシングの衝撃~」


6月18日(火)のNHK クローズアップ現代で、クラウドソーシングの特集が組まれます。

このサイトのメンバーとも関係のある、東京工業大学比嘉教授が出演されます。

2013年5月26日日曜日

採用プロセスを短縮するクラウドソーシング


 oDeskによれば、2020年までに3人に一人の労働者はオンラインで作業するようになり、2012年末にはオンライン労働市場は十億ドル規模に到達すると予測されています。

 オンラインの労働市場が拡大する理由は多数ありますが、HRO Todayでは採用の短縮を一つの要素として述べています。

 oDeskの発注者への調査によれば、現場労働者を採用するのに平均23.9日掛かるのに対し、オンライン労働者では2.8日との述べています。また両者を雇用した経験のある企業の82%がオンライン採用の方が簡単だったと回答しており、さらに全回答企業の88%がオンライン労働の利用により競争力を得た、85%が製品発売が早まったとも述べています。

 興味深いのは、83%の企業が、仮にオンライン労働者を雇用しなかったとしたら、現地雇用をすることもなかったと回答しており、オンライン労働がオンサイト労働者から雇用を奪うというよりは、全体としての就業機会を増加させている可能性が見て取れます。

2013年5月16日木曜日

アメリカのプログラマ、中国に仕事をアウトソース 2




 oDeskのCEO Gary SwartはGIGACOMで別の見解を述べています。この「ボブ」を解雇するのではなく、むしろ昇進させて開発管理を任せるべきだったと指摘しています。

 つまり、こんな上手くクラウドワーカーを活用できるなら、そのスキルは会社にとって有効であり、それを企業としてもっと活用すべきということです。

 クラウドソーシングの普及により、クラウドワーカーの管理を行えるマネージャーが必要になってきています。例えば、

仕事を標準化しプロセスを設計できる能力:一つの仕事を細分化し、そのプロセスを標準化し、他人に説明し委託できるようにする。さらにどのプロセスを外部に委託し、どこを内部化するかを設計する。

テレワーカーを評価・管理できる能力:適切なワーカーを選別し、適切に進捗管理を行う

成果物を評価できる能力:最終的な成果物を判断し、ワーカーを評価する

といったが重要となり、こういったスキルを持つマネージャーは貴重な存在になるかと考えられます。

 同じ職場で日々顔を合わせながら仕事をするのが当然の日本企業のマネージャーには、耳の痛い話かもしれません。特に、日ごろのがんばりといった抽象的なことでワーカーを評価するのではなく、最終的な成果物で評価する必要があり、マネージャーは仕事のよしあしの判断が重要になります。

 こういったマネージャーのスキルは貴重なものであり、今回の「ボブ」もそういった意味では、優秀なマネージャーであったかもしれません。(ただ、ベライゾンとしては職務規程等々いろいろ問題もあると思われ、雇用継続は難しいかったのかと思いますが。)

2013年5月10日金曜日

アメリカのプログラマ、中国に仕事をアウトソース 1

CNNに、アメリカのプログラマが中国に仕事をアウトソースしている事例が紹介されています。

 この記事によると、ベライゾンに勤務する40代のプログラマ”ボブ”は、自身の業務であるプログラミングの仕事を、中国のプログラマに発注し、自身は日中猫の動画をyoutubeで見るなど、実際の業務は行っていなかったということです。
 
 このプログラマは、数十万ドルを稼いでおり、その4分の一程度を中国のプログラマに支払っていたのとことです。ある年は、年間5万ドル支払っていたようです。

 一方で、彼の仕事は、社内からも評価されており、“きれいで、よくかけているコード”と評され、“the best developer in the building”にも選ばれてます。しかしながらボブは、結果解雇されています。

 ぱっと考えれば、業務を行っていない、情報を漏洩させているということで、解雇も当然かと思いますが、一方で、oDeskのCEO Gary Swartは別の意見を述べています。

 続く…

2013年5月9日木曜日

現実化するバーチャルアシスタント 2


ビジネスウィークの記事に、クリーブランドのソフトウェア会社でのバーチャルアシスタントの活用事例が紹介されています。

 この会社には45人の従業員がいますが、その多くが在宅で働いています。バーチャルアシスタントは6~8人で、短期間の雇用の後に優秀であれば長期雇用するという方針を取っています。採用の際のポイントは、推薦状やオンラインサイトを調べてバーチャルアシスタントを綿密に調べるのが重要と述べています。

 CEOのDavisと彼の秘書Jackieは通常Skypeを通じて連絡をとり、めったに電話では話しません。Davisによれば、秘書と500マイル離れていることの数少ない欠点の一つは、書類をただ手渡すのではなく発送しなければいけないことと述べています。ただ、経費削減は何物にも代えがたい、とも付け加えています。

 こういったバーチャルアシスタントの活用が、クラウドソーシングの普及により広まっているようです。

2013年5月7日火曜日

現実化するバーチャルアシスタント 1


 企業にとって、秘書業務、総務業務といった業務は、定常的に作業が発生するわけではないにも関わらず、人を確保しなければならないため、悩ましい業務といえます。

 特に、これまでの雇用方法では、正社員もしくは契約社員などで人を確保することで、業務如何に問わず、固定的に人件費を払い続ける必要がありました。

 そういった中、最近では、バーチャルアシスタントというサービスが現実化しており、諸経費の削減を目指す企業の間で広まりつつあります。

 バーチャルアシスタントという考え方は古くからあり、もとは電話やFAXを活用して、秘書業務などを行うものとして考案されました。
 
 それが、近年、ICTの進歩により普及が進んでおり、、実際に顔を合わせることはなく、作業が必要なときだけインターネット等を利用してコミュニケーションし、仕事を行った時間に応じて費用を支払うといったことが可能となってきています。

 バーチャルアシスタントはコントラクターなので、週40時間分の固定給ではなく実際に働いた時間分の時給で済み、雇用企業は諸手当を払う必要が無いだけでなく、土地や設備に資金を使ったり、机を借りたり、パソコンを買う必要もありません。

 こういったバーチャルアシスタントは、最近クラウドソーシング上で普及しており、oDeskでは、Personal Assistantとして12万人近くのワーカーが登録しています。(2013年5月現在)。

 英語という壁はありますが、それでも企業にとって大きなコスト削減の魅力的な方法と言えるかと思います。

2013年4月30日火曜日

ドイツIBM - 人員整理?クラウドソーシング?


 ロイターによると、ドイツIBM8000人分の仕事をプロジェクトごとにインターネットを介して人材を調達すると紹介されています。この取り組みにより、現在2万人いるドイツIBMの社員はいずれ12000人にまで減り、3分の1のコスト削減と30%の開発効率向上を目指しているとも述べられています。

この取り組みでは、自社社員をいったん解雇し再度、インターネット経由で必要なときに活用するということらしく、ある意味、自社社員をクラウドソーシングで活用するとも取れます。

 CMSWireでは、この動きは従業員にとっては必ずしもいい話ではなく、失業期間の長期化、医療給付等を失うことによる負担増、また仕事のストレスの増加にも繋がりかねないとも述べています。

 企業にとっては、固定的に人材を抱えるわけではなく技術動向、顧客ニーズに合わせて人員を調達できるため大きなメリットがでると思われますが、従業員にとっては決してプラスばかりではなく、これまでの雇用トレンドの終わりにつながるかもしれません。この取り組みがIBMで成功した場合、他の大企業も追随する可能性もあり、大きく労働環境が変化するかもしれません。

 そうなっても、日本企業は取り残されそうですが。。。

2013年4月29日月曜日

 オーストラリアのクラウドソーシング事情


 前回投稿で紹介したベンチャー企業でのクラウドソーシング事例の記事ですが、こちらには、オーストラリアでのクラウドソーシング事情も述べられています。

 オーストラリアでは35千の小企業がoDeskを利用しており、これはアメリカに次いで第二位、さらに人口一人あたりでは第一位とのことです。

 oDeskCEOGary Swartによれば、こうしたバーチャルな労働力が小企業の立ち上げを支えており、「ネット労働者を利用するオーストラリアの小企業の85%が、競争力を高めることができたと言っている」と述べています。

 更に、「オーストラリアの25千人のコントラクターがoDeskに登録しており、56%の仕事は海外企業から来る」とのことで、ワーカーにとっても重要な仕事受注のプラットフォームとなっていることが見受けられます。

 また地元企業によれば、ウェブ開発やソフトウェア開発、デザイン、マルチメディア、執筆と翻訳などの専門家を地元で見つけるのは困難だが、ネットでは可能と述べており、企業にとっては、重要な人材獲得手段となっています。

 オーストラリア企業がネットを通じて雇用する職種上位三位は、ウェブ・プログラミング、モバイル・アプリ開発、ウェブ・デザイン。オーストラリア人がネットを通じて雇用される技能は、増加順に技術文書執筆、ビデオ制作、翻訳が上位三位といったものがあげられています。

2013年4月27日土曜日

クラウドソーシングワーカーはベンチャーにとっての重要な人材リソースに


 日本ではまだ普及途上のクラウドソーシングですが、海外では既に本格的な普及期に入っており、当然のごとく企業が業務で活用しています。
 特にベンチャーや中小企業での活用が顕著で、流動的に優秀な人材を雇用できることは大きな魅力となっています。

 news.com.auの記事によると、オーストラリアでは、5万にも上る小規模企業がバーチャルな労働力を利用しており、こうした傾向が新進の事業主の間でますます強まっていると述べています。

 記事の中では、1Ad.comという人事雇用の広告ビジネスを行う企業において、クラウドソーシングを利用している事例が紹介されており、起業者のAdam Griffithによるとロシアとウクライナのグラフィック・デザイナーとウェブ開発者を雇用しており、地元で技術者を雇うより75%も安上がりと述べています。

 これまでの人材採用プロセスでは、優秀な技術者が限られ、コストが高く、時間もかかるのに対して、クラウドソーシングでは、豊富な人材プールから採用を早く、低コストで行うことができ、ベンチャー等、新進の事業主は優秀な技術者をクラウドソーシングに求めているようです。

2013年4月22日月曜日

クラウドソーシングのクライアント、ワーカーは、どこから来るのか?

 海外のクラウドソーシングサイトには、クライアント、ワーカーともに世界中から集まってきます。しかしながら、世界中均等に、クライアント、ワーカーが存在しているわけではなく、地域的な偏りはあります。

 Crowdsoucing.orgの記事によると、Elanceでは、2012年のデータから見ると、米国企業が最大のクライアントであり、ワーカーも米国在住者が圧倒的に多くなっています。(70万人、過去12ヶ月で20万人の増加)。特に失業率が高い州でフリーランス収入が増えていると述べています。(例えば、ロードアイランド州では過去1年で89%増加など)。

 ほかにクライアント企業が多いのは豪州、英国、カナダ、アラブ首長国連邦ですが、中国、南アフリカ、インド、また一部欧州諸国で著しい増加が見られます。

 ワーカーの所在で多いのは米国に次いでインド、パキスタン、ウクライナと英国で、ブラジル、豪州、エジプト、南アフリカ、景気悪化の影響を強く受けたスペインやイタリアなどで特に増加しているとのことです。

 インドより米国でワーカーが多く、また中国のクライアントによる雇用が2012年の間に204%も急伸しているという事実は、これまで通説として言われていた、一般的なワーカー=途上国の人材、発注者=先進国の企業という構図とは異なる内容です。

 クラウドソーシングが単なる労働搾取ではなく、グローバルな人材マーケットとして機能してきていることを示しているかもしれません。

2013年4月10日水曜日

Freelancer.comで発注して支払ってみよう。(Freelancer.comの使い方:第3回)


前回の記事では、Freelancer.comでのワーカー選定のやり方をご説明しました。
今回はそのワーカーに発注時にお金を支払うプロセスをちょっとしたtipsを交えてご説明します。
※画面は2013年3月4日現在のもので、会員登録は完了していてログインした状態の画面です。

前回記事のとおり発注したいワーカーが決まれば、その方の「Award Project」ボタンを押すとその方に通知が行きます。
その上でワーカーの承諾が得られれば契約が成立します。

そしてここでまず最初の支払が発生します。
提示金額のところにマウスを合わせた時に表示される金額+その金額の3%です。
3%はFreelancer.comへ支払う手数料です。
Freelancer.comはこの手数料の積み重ねでご飯を食べてます。

初めてFreelancer.comを使う場合、デポジットがないのでまずデポジットする(Freelancer.comにお金を預ける)必要があります。

グローバルメニューの「Finances」から「Deposit funds」を選択してください。



支払はPaypalでもカードでもお好みの決済方法が選べます。
赤い四角で囲っている部分を見るとどちらも決済手数料は同じなので、ご自分の都合の良い方を選んで構わないです。



では項目ごとに説明をしていきます。

1.金額

通貨単位と金額を入力します。
通貨単位はUSD(アメリカドル)のままで大丈夫ですのでそのままにしておいて金額を入力します。

なお、デポジットの度にPaypalの決済手数料が取られてしまうので、発注時に必要な金額だけでなく発注金額の全額をこのタイミングでデポジットすることをオススメします。

私はこれに気づかず、360ドルのプロジェクトで分割払いをしまくったせいで10ドル以上も余計に支払ってしまった経験があります。
せっかくプロジェクト自体の金額は抑えられたのにとてももったいない思いをしました。

2.支払総額

この金額は決済手数料が自動計算されて支払総額が表示されます。

しかし計算方法については要注意です。

決済手数料として、「$0.30 fixed and 2.30% fee is taken.」と書かれています。
書いているまま計算すると、30ドルのプロジェクトの場合、
30ドル×2.3%+0.3ドル=0.99ドルとなり、支払総額は30.99ドルとなるはずです。
しかし表示されている金額は31.01ドルです。
これは計算間違いではありません。計算式が間違っているのです。
支払総額が30.99ドルだとすると、その内の決済手数料(2.3%+0.3ドル)は1.012ドルとなり、Freelancer.comが受け取る金額は30.99ドルから1.012ドルを引いた29.977ドルとなります。
30ドルではなくなってしまいますね。

正しくは、支払総額から料率部分(2.3%)を引いた金額がFreelancer.comへの支払額という計算するので、正しい計算式は次のとおりです。
30ドル÷(100%-2.3%)+0.3ドル=31.006ドル≒31.01ドル
ご注意ください。

3.デポジットボタン

このボタンを押すと、選択した決済方法の決済確定フローに進みます。
そこから戻ってくるとデポジットが無事完了です。


あとは発注時に必要な金額をそのデポジットから支払えば発注が完了します。

次回はプロジェクトの進行管理について説明します。

2013年4月2日火曜日

個人でロゴマークなどの懸賞金付きアイデアコンペを開催しよう!


はじめまして、crowdscopesのごっつです。

今回は、クラウドソーシングの活用の仕方でよく期待される、ロゴマークのデザイン発注業務をベースに、国内最大手のcrowdsourcingサイトであるランサーズについてご紹介します。

自分のイメージにぴったりのデザインを見つけたい!
「ロゴマーク」みたいなものは、『なんとなくこういう雰囲気にしたい』というものはあるけれども、実際に発注者自体がどのようなものにすればいいのかわからない事が多いですよね。だから、デザイン事務所などでは、発注する際、その雰囲気を元に3~10個程度の複数の提案を提示して、どれがピンとくるかという話をしながら、最終的にデザインを完成させていきます。

でも、本当の本当に“ピンとくる”デザインがその候補の中にあるのでしょうか?私は非常にワガママなので、出来れば100個とか200個の候補の中から一番好きなロゴを選びたいんですよね。でも、「100個以上候補を出してくれ」と交渉できるほど面の皮の厚い人間でもなければ、資金力もありません。また、やってもらえるとしても、100個のラフデザインが上がってくるまでに何週間かかってしまうのかと考えると、頼めたもんでもありません。

でも、crowdsourcingを用いれば、【非常に多くのデザイン】が【リーズナブル】に【あっという間】に集められてしまうのです。
私は、賞金2万円で、なんと24種類のアイデアを集めて、サービスロゴのデザインを決めることが出来ました。サイトを見てみると、賞金5万円で100件を超える提案があるケースも多く見られます。

そんな事を実現するにはどうしたらいいの?
今回ご紹介するのは、ランサーズというサイトです。ここは、1997年にオープンしたcrowdsourcingサイトで、デザインや小さい業務においては、間違いなく日本最大手と言ってよいと思います。
そのサイトの中には、大きく分けると「①プロジェクト型」「②コンペ型」「③タスク型」という3つの仕事の発注の仕方があります。各型について、簡単に説明すると以下のようになります。



今回は「②コンペ型」で、【多くのデザイン】を【リーズナブル】に【あっという間】に集めてみたいと思います。 

実際にお願いするにはどうしたらいいの?
Step 0:ランサーズに登録しましょう
 ランサーズに登録しましょう。発注をしなければお金がとられることはないので、あまり気にしないでも良いと思います。個人のプロフィールなどをしっかりと記載しておくと、デザイナーの方も安心して業務に従事できるはずなので、より多くの提案が集まるかもしれません。

Step 1:発注までの流れ
簡単にですが、発注までの流れを追ってみます。なんとなく雰囲気を掴んでいただけるかと思います。実際に発注が終わると、募集案件としてサイトに表示されます。[実際のロゴデザインの案件リスト](非公開にする事も可能です)
また、[人を探す]のボタンから、ワーカーを探して自分の案件をおすすめする事によって、見つけられるのを待つわけではなく、自分の好みにあうデザイナーをコンペに参加してもらえるように打診する事が出来ます。



Step 2:発注〜コンペ終了の流れ
デザインが集まってきたら、その中から好きなデザインを選んで、そのロゴデザインを活用出来ます!
また、デザイナーの方とはコミュニケーションを取ることができるので、デザイナーの方に打診して、微調整を加えることで、自分の好みに本当に合うデザインに組み替えていくこともできます。
後半3日などで一気にデザインが集まるので、「ウォッチリスト」の数でこの案件に興味を持っている人がどれくらいいるのかを把握して、根気よく待つのがよいと思います。しかし、ちゃんとした案件(応募している内容・金額など)であれば、応募してすぐに人が自分の案件を気にしはじめていることが実感できると思います。

◆ まとめ
今回はコンペ式によって、ロゴデザインを発注するイメージをお伝えしました。
実際にどんなデザインが出来上がるかは、あなたの案件次第です。発注する際にテーマがわかりにくいようであれば、よくわからないロゴが出来てしまいます。丸投げするのではなく、自分のロゴで伝えたい事を、まずは自分でしっかりと考える事が重要だと思います。
具体的にどのようなデザインが上がってくるかは、[実際のロゴデザインの案件リスト]を見て、イメージされてみてはいかがでしょう。やはり、高額の案件はそれなりの数と質のデザインが集まっている事がわかっていただけると思います。

crowdsourcingはジョブマッチングにおける新しいパラダイムです。しかし、やっていることは「仕事をしたい人」と「仕事をしてもらいたい人」とを結びつけているに過ぎません。実際、『案ずるより産むが易し』です、小さい案件からでも良いので、とりあえず一度crowdsourcingの世界を体験してみてはいかがでしょう♪


◆ 参考
なお、ロゴマークの作成をしたいという事であれば、このようなサイトも参考にしてもらえれば良いと思います。
 99Designs:英語のサイトですが海外では有名なデザイン系のcrowdsourcingのサイトです。[関連記事:99designsでアプリアイコンのデザイン発注]
designclue:2012年の9月にクローズドβ版が公開された、”日本語で海外のデザイナーにデザインの発注が出来る”サイトです。

※この記事は20133月に書かれたものです。特に国内のcrowdsourcingの市場は、現在、非常に急速に進化していっているので、もしかしたら半年後くらいには、紹介したサイトの仕様等が変化している場合もございます。